その症状は突然現れました。

朝、目が覚めたら、目が開けられません。

まるで殴られたような痛み。

目を洗おうが、冷やそうが、目薬を挿そうが、

何をしてもその症状は治まりません。

まるで発作のように、15分、30分と時間とともにその痛みが通り過ぎるのを待つしかできません。でも時間が経つとけろっとその痛みがなくなります。

そしてそれは突然やってきます。

ドライブ中でも、道を歩いていても。

最初は「大げさな」と言っていた夫も、だんだん「ただ事ではないぞ」と思い始めた様子。

そして、ある夜。とうとう蕁麻疹が発症。

痒みに耐えられず、翌朝、当時プリンセスカイウラニホテルにあったドクターズオンコールへ駆け込みました。

ドクターは外国人でしたが、通訳さんがついてくれました。

私の症状を聞くと、「日本にはないアレルギー」という診断。

「最近、ボグが飛んでいるからねぇ」

ボグとは、ハワイ島から風に乗ってやってくる火山灰のこと。

ハワイの人たちは、水平線を見て「今日はボグで曇っている」と話しています。

まさかそんなものに私の体が反応するなんて思ってもみませんでしたけど。

そこ太い注射をお尻にブスり。

お尻に注射なんて子どもの頃以来です。

目薬やアレルギー薬を処方してもらい、その後のハワイで症状が出ることはありませんでしたが。

花粉症に悩まされる季節はハワイで過ごしたいなんて思っていましたが、そうは問屋がおろさないとはこういうことですね。

ボグの他にもマンゴにアレルギーを起こす人もいるのだとか・

最近はアレルギー症状が出ても慌てないように、ハワイへ出かける1週間くらい前からアレルギー薬を飲んでいます。

「そんな思いまでしてハワイに行きたいかねぇ」と隣で夫がポツリ。

はい。そんな思いをしてもハワイに行きたいんです。わたし。

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