思ったら最後、突進してしまう性質なゆえ、自分が満足に英語が話せないことも、いつもは複数で活動していることも忘れて突進、緊張からろくに寝られず、その日の朝を迎えました。用意したのは、ひらがなとローマ字を書いた歌詞カード。そしてアイフォンからBluetoothで飛ばす小型スピーカー。

「こんにちは〜」。32人の皆さんが私を迎えてくださいました。女性の皆さんはきれいにお化粧されて個性豊かなお洋服を着られているし、男性もジェントルです。歳を重ねてもおしゃれを楽しむ姿はとてもステキでした。

実は皆さんがあまり日本語を話されないのではと思って、一つの曲をフレーズに分けて歌うつもりでした。しかし用意していった「ふるさと」「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」のどの曲も大きな声で上手に歌われるので、予定していた１時間の半分で終わってしまうという状態。後30分何したらいいの？　と焦ることしきりでした。

急遽、スタッフの方が、普段使っている歌集を持ってきてくださり、私の拙いピアノで童謡を順番に歌いました。皆さん、ほんと、歌が好き。日本の歌を歌いながら、どんなことを思われているのでしょう。今回、ご一緒した皆さんは２世ということで日本語を上手に操れますが、お子さんの３世世代になると日本語は話せないので、おうちでは英語を話されるのだそうです。

内心、皆さんが楽しんでくださっていたのか、喜んでくださっていたのか、不安でたまりませんでした。だから、会の終わりに折り鶴のレイを首にかけ、「次はいつ来るの？」という言葉をかけてくださったとき、緊張の糸がプツンと切れて、泣きそうになりました。

本当に、幸せで貴重な経験でした。日本から突然図々しく一緒に歌わせてくださいというメールを出したにも関わらず、快く門を開いてくださったホームのスタッフの方に感謝の気持ちでいっぱいです。そして何より、私と一緒に歌ってくれて、ハグをして手を握って、「またね」と言ってくださった２世の皆さん、本当にありがとうございました。大好きです！

きっと、また伺います。どうぞお元気でいてくださいね。

癒やし